72号 好きな作家
好きな作家を3人挙げなさいー
と言われたら、なんと答えようか
考えてみる。
そうすると、やっぱりこの3人になるかな。
この3人の作品は、繰り返し読んでしまう中毒性がある。
芥川龍之介は、これは100年後に読んでも面白いんじゃないかな。
文体も美しいし、主題の妙に長けていますよね。日本文学にある
じめじめっとした湿気も、あまりない。旅のお伴には必ずと
いっていい程、写真の「芥川龍之介」(文春文庫)です。
そして向田邦子さん。東北の震災で、改めて向田作品を
読む人が増えたそうですね。私はエッセイが大好きで、
そればかり読んでいたのですが、最近『寺内貫太郎一家』
を読んで、創作も面白いんだ!ということに今頃になって
気づきました。次は『あ・うん』を読んでみようかな。
そして最後は、宮部みゆきさん。私は江戸ものが一番好き。
どの登場人物にも愛着が持てるし、心の機微にふれるものが多い。
江戸ものは、性善説をベースに書いているような気がします。
一方、現代ものでは『火車』が社会のテーマを描いてダントツ1位
『長い長い殺人』はストーリーの組立てが、最高に面白いけど
それ以外はパス。本当に悪い人や、人が無残に死んでしまう設定は
どうしても好きになれなくて、一度読んだきりになってしまいました。
SFも読みません。
こう書くと、かなり偏った読書ですね。
でも読むものは変化していくから、
次どんな世界にはまるかも楽しみ♬
自分のペースで世界が広がり、深まって
いくのが本の醍醐味ですよね。