17号 母のこと
肥後民家村にて
今日は、およそ1ヶ月ぶりに母に会った。
元気そうで、何より。
孫をみる。たったそれだけのことで
母のこのこぼれるような笑顔。
人って、小さい子どもを見ると
なにかとてつもなく無防備で、まだ辛いことに触れていない
ずっとずっと昔の頃の表情に戻ってしまうみたいだ。
母のこの顔は、祖父母の家にあった、もう黄ばんで
しまったアルバムに映る顔ー。
先日観た「千と千尋の神かくし」の中で
銭婆が言っていた。
『一度あったことは忘れない。ただ思い出せないだけさ』
孫という幼い存在は、昔々楽しかった頃の魂を
瞬時に引き出してくれる、特別な存在なのだろう。